2018年02月21日

昔の人たちの肖像写真を見るときに、注意したほうがよいかも知れないこと(書籍『写真芸術を語る』)

 昔の写真は当時の生活等を知る上での資料になりそうなものだが、場合によっては必ずしもそうとは言えないケースもあるらしい。
 一個前の記事で触れた、書籍『写真芸術を語る』の<第一部 2 絵画写真の時代 (5) つくられた疑似的現実感>に、ある時期の肖像写真について、ルシア・モホリの以下のような文章が紹介されている。


「当時の裕福な人々の持ち物と考えられている物品を、画面にいれて写真を立派にみせようと試みるものがでてきた。こうした写真家は、さらに画面を立派に見せるために、お客を自然の姿勢ではなく、芝居がかったポーズをとらせて撮影した。
 この”室内装飾”は成功であった。当時のアルバムを開くと、イスに悠然と腰かけていたり、花籠をもっていたり、画家といわぬばかりにイーゼルに向かっていたり、学者然として机の上に分厚い書籍を並べた肖像写真が見受けられる。(後略)」


 というわけで、昔の肖像写真の中に写っている人たちが立派そうに見えたとしても、それは<そういう風に写してあげますよ>ということが売りで、そのような写真になっている場合があるということ。
 (もちろん、(引用部の後ろに書かれているように)、当時の人々の価値観、考え方などを知るという意味では貴重ということもできる)。

 ちなみに、引用部の少し後の、同書の著者の金丸重嶺氏による以下の地の文にあるように、


(前略)およそ日常の生活とはかけはなれた舞台装置や書割りの前に置かれた人たちは、ひどくかたくなり、またもったいぶったポーズや、表情になったのも当然であろう。(後略)


 といった側面もあったようで、昔の人たちの肖像写真を見たことのある人の中には、<ああ!>と得心される方もあるのでは、と。
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2018年02月20日

書籍簡易感想 『写真芸術を語る』

 (金丸重嶺:著 朝日出版社)

 昭和45年初版、黎明期からの写真に関する世界的な潮流の変化の軌跡を、さまざまな写真家の言葉を引用しつつ、時系列に沿って紹介している一冊。

 後半になると、やや、現代(=出版当時)の写真家の考えを単に紹介しているだけ、みたいな感じも出てくるが、写真に関する見方(/とらえ方)の確立や、写真に関するさまざまな人々のアプローチ・考えなどに触れるのには、いい本。
 (※同系統の本を他に読んだことが無いので、他と比較してどうかは、分からない)。
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2018年01月10日

感覚の特殊な鋭敏さを持っている人の感じ方や想いに関する文章(書籍『D.H.ロレンス幻視譚集』)

 書籍/作品集『D.H.ロレンス幻視譚集』(D.H.ロレンス:著 平凡社ライブラリー)巻末の<訳者解説>(武藤浩史:著)によれば、書籍/小説『チャタレー夫人の恋人』などで知られるイギリスの作家、D.H.ロレンスは並外れて鋭敏な感受性を持っていたらしく。
 それを示すものとして<訳者解説>の中で紹介されていたロレンスの晩年の詩『神秘家』が、<独特の鋭敏さを持つ人から見た世界や、それに対する人々のリアクション>を描いて(えがいて)いるようで、少し、印象的だったのでした。
 (※<作品集>と表記したのは、短編小説の他に、詩も収録しているため)。
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2018年01月09日

書籍/掌編小説 『ボウリング場』『ラーディ』(書籍/掌編小説集『たんぽぽ』収録)

 書籍/掌編小説集『たんぽぽ ヴォルフガング・ボルヒェルト掌編集』(ヴォルフガング・ボルヒェルト:著 未知谷:発行)の中の何篇かを読んでみたが、個人的には『ボウリング場』『ラーディ』あたりが印象的。
 (掌編小説=いわゆるショートショートだが、本書に収録されているのは<オチで勝負しないタイプの掌編小説>)。
 ちなみに本書の訳者である鈴木芳子による<解説・あとがき>によれば、以前、当ブログでちょっとだけ著作を紹介したノーベル賞作家ハインリヒ・ベルは、本書に収録の『パン』を大変高く評価していたとのこと。
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2018年01月06日

雑誌/音楽関連 PerfumeとNTTドコモとのあれについて触れられているインタビュー(雑誌『音楽と人』2018年1月号)

 書籍/雑誌『音楽と人』(2018年1月号)に Perfume のインタビューが載っていて、その中で昨年11月に行なわれた『FUTURE-EXPERIMENT VOL.1 距離をなくせ。』について触れられていて、おもしろかった(19ページ2段目の最後のほうから)。
 (ちなみに、地域によっては、すでに次の号が発売になっているはずなので、ご注意を)。
 ( Perfume 目線なので理系の技術的な話は無いが、実際にそれを実行する側の目線での心境とか気づきとか、実は一瞬、人為的なことで失敗しかけた場面があったこととか)。
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2017年11月27日

批評に関する2つのベーシックなスタンス(書籍/漫画『美術館で働くということ〜東京都現代美術館学芸員ひみつ日記〜』)

 書籍/漫画『美術館で働くということ〜東京都現代美術館学芸員ひみつ日記〜』(オノユウリ:著 株式会社KADOKAWA発行)の51〜56ページにかけて、批評に関する2種類のベーシックなスタンスが紹介されていて、ベーシックながら、少し、印象的だった。

 要は、<作品なり展覧会なりの出来がよくなかったと感じたときに、作者本人からコメントを求められたら、どう答えるか>ということで、<ストレートに指摘するか>、それとも<あえて駄目な部分を指摘することは避けるのか>といったことになってくるわけだが、たとえ後者のやり方をとるにしても、<そのほうが利益が上がりやすいから>といった理由からでは無い点は、押さえておきたいところ。
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2017年09月05日

書籍/アート関連 『木象嵌絵画』

 (ジョイス辺見:著 株式会社ARTBOXインターナショナル(ART BOX/GALLERYシリーズ))

 木の板に絵柄をくり抜き、くり抜いた場所に同じ大きさ、同じ形の木を嵌め込んで(はめこんで)作るタイプの絵画の作品集。
 タイトルは、<もくぞうがんかいが>と読む。

 25ページ以降の(主に風景を主題とした)作品の茶色が、少し、印象的だった。
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書籍/漫画感想 『フィギュアの時間です☆』(全1巻)

 (さいきょーきかく(Y):著 朝日新聞出版)

 担当編集者がフィギュアスケート・ファンだったことから、自身もフィギュアスケートのファンになった著者によるエッセイ漫画。
 取り上げている時期はソチ五輪までだが、担当編集者が古参のフィギュアスケート・ファンなので、比較的、古い話も(たまに)出てくる。
 以下、ネタバレあり。

 (この手の漫画を読むのは初めてなのだが、)メジャーどころのみならず、(一般レベルから見ると)比較的マイナー(?)な選手の名前も出てくる感じで、著者がフィギュアスケートのファンになっていく過程での気づきや経験、発見などに加え、担当編集者からの古参情報や、著者から見た担当編集者のマニア感、さらには各選手への印象など、意外と充実しているな、といった印象。

 印象に残ったのは、著者がアイスショーで直に選手の演技を見るようになってから発見したことで(60〜61ページ)、

お茶の間ファンがアイスショーを見に行くようになってわかったこと

荒川静香ちゃんの演技の見どころは
レイバックイナバウアーではない
滑りそのものだ(60ページ)


 ということで、要は、それぞれの選手の滑り(=スケーティング)自体に質感のちがいがあって、それを感じること自体が楽しみ、みたいな)。
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2017年09月01日

書籍/アート関連 ミシンで描いた絵(書籍『 STITCH SHOW ステッチ・ショー』)

 書籍『 STITCH SHOW ステッチ・ショー 刺繍のアート&デザインワーク、ステッチで描く50の表現』(矢崎順子:編 ビー・エヌ・エヌ新社)に、さか井美ゆきという人の<ミシンを使って糸で描いた絵>というのが載っていて、少し、印象的だった(90〜95ページ。インタビューもあり)。
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2017年08月24日

書籍/写真関連 『ブラッサイ写真集成』をざっと見

 書籍『ブラッサイ写真集成』(岩波書店)を、写真を中心に、ざっと見たが、なかなか印象的。

 ブラッサイは、夜のパリを撮った写真などで有名な写真家だが、ほかに彫刻等も手掛けている。
 本書には写真の他に、彫刻や絵画、デッサン、本人による文章などを収録。

 個人的な好みとしては、女体重視の(接写気味の)写真はあまりピンとは来ず、どちらかというと建物や階段などを撮った写真のほうが印象的だった(あとは街なかでの人物とか)。

 (というか、当たり前なのだが、世の中、(過去の人間も含めると)凄い(すごい)人が多くて、(いい意味で)困ってしまう)。
 (いや、別に困りはしないのだが、感覚として)。
posted by らぶらどーる at 17:21| 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする