2008年05月31日

男子バレー 日本対イタリア

 北京五輪最終予選初戦。
 一見、大逆転負けに見えるが、実際には順当負けか。
 なんか、男子バレーの五輪連続出場が途切れた試合とおんなじような感じであった。
 ほぼ勝ち、という場面までは持っていくものの、そこで自分をコントロールできない選手たち。そして自滅。
 結局、あのときの敗因を、この16年間、クリアできて来なかったのだなあ、などと、見ていて思ってしまった。
 勝ちが決まりそうな場面でふるえて、そのまま負けてしまったという感じ。
 これは、勝負弱い人間(・チーム)の特徴。
 冷静に言うならば、第4セットでマッチポイントを握ったときに、舞い上がってしまって、彼我の力関係を忘れてしまったということ。
 得点ではリードしていても、力関係から言えば相手の方が日本より強いということを覚えていれば、あと1点を取るのが大変だろうことは、すぐにでも分かったはず。
 でも舞い上がってしまって、点差=力関係と錯覚したために、楽勝な相手に決めに行くような気持ちでやってしまった。
 けれど心の奥底では相手の方が強いと分かっているために、行動と思いとがちぐはぐでバラバラ。
 弱い相手をぶっ飛ばそうという行動と、強い相手にびびる気持ちとがバランスを取れなくなって、ひっちゃかめっちゃかになってしまったのだろうと思う。
 やっても効果があったかは分からないが、ベンチワークでなんとかするべきだったところ(だってあのときの選手たちじゃ、修正のしようがない)。
 ファイナルセット、ボロ負けするのは別として、ほとんどがアウトだったのが問題。
 結局、最後まで開き直れなかったということ。シャットアウトを怖がって逃げてばかりということだから。
 あとはアジアの一位だが、韓国、オーストラリアに対してともに勝つというのは、ちと厳しいか。
 今日の精神状態じゃなぁ。
posted by らぶらどーる at 22:00| 広島 | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

創作 少女の嘆き、神の回答 (1)

 生きていれば、いやなことが多い。
 そうでない人には想像もつかぬかもしれないが、ある種の人には、いやなことばかりが立て続けに起きて、そちらサイドに完全に飲み込まれてしまったかに思えるときがある。
 これから話す少女もそのひとりで、本人に降りかかる災いが、完全に許容範囲を越えてしまい、もう死ぬしかないと思い詰めていた。
 少女は刃物を手に持ち、その命を絶った。
 その瞬間、彼女の意識は、得体の知れぬなにかに触れた。
 ぞっとして離れようとしたが、どこへ行ってもそのなにかの中にいて、逃れることはできなかった。
 <なにものだ?>
 なにかは声を発した。声かどうかは分からなかったが、少女には伝わった。
 少女は名を名乗った。
 <そうか……。人間に会うのは久しぶりだな>
 少女は相手の名を問うた。
 <私はお前たちの世界をスタートさせたものだ>
 <神様……?>
 <ただの火付け役さ>
 少女はその『神』に問うた。なぜ世間を今のままに放っているのかと。なぜ戦をやめさせ、不正を正させないのかと。
 <いったん世界が始まったら、変えることはできない>
 <神様なのに?>
 <変えるには、すべてを消して、再スタートさせなければならない。世界をすべて消してよいのなら、再スタートはできる。だがそのときは、お前も、お前がまったく知らぬ人々も、すべて消え失(う)せることになる。今の世界にあるものは、何も残らない>
 <そうすれば、いやな人のいない、悪のない世界ができあがるの?>
 <それはわからない。
 スタートした後、世界はみずからによって、いかようにも変わっていく。それをコントロールすることは、私にはできない>
 <なぜ?>

 (一個下に続く)
posted by らぶらどーる at 15:31| 広島 | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

創作 少女の嘆き、神の回答 (2)

 (一個上からお読みください)

 <私がそのように作ったからだ。
 『命』とは、『生きている』とはそういうことだ>
 <……よくわからない>
 <嫌な人間の現れない、悪の存在しない世界を作ることはできる。そういう世界は私は自由にコントロールすることができる。だがそれは『死んだ』世界だ。私の好きにできるが、なにも生まれない、なにものも生きはしない>
 <……それでいいじゃない>
 <それは、存在しないのと一緒だ。だから私は『命ある』世界を作る。それがいかなる災いを引き起こすとしてもだ>
 <……あなたのせいで私は苦しんだのね……>
 <そうも言う。だがそれも、生きることの一部だ>
 <気楽に言わないで! 私がどんな思いだったかも知らないくせに!>
 <それは知っている>
 <嘘よ!>
 <君だけでなく、すべての人の思いを私は知っている。嘆きも苦しみも、悪意も冷酷さも、そのすべてを。そのつらさも悪辣さも、我がことのように感じることができる。それが、世界をスタートさせるときに、私がみずからに課した義務だ。世界が生み出す、いかなる嘆きも苦しみも、おのがこととして受け止める。何が起ころうとも、みずからがスタートさせた世界に対して目をそらすようなことは決してしない>
 <……もう、いいわ……>
 少女はなんだか、とても疲れてしまった。そして、思った。
 <いいかげんなくせに、思い込みだけ強いのって、最悪よね……>

        <了>
posted by らぶらどーる at 15:30| 広島 | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

創作 死神の嘆き (1)

 死神は今日も嘆いていました。
 「最近、忙しくてしょうがない。死にたがる奴は増えるし、戦争は相変わらず多いし、これじゃ、いくら働いてもおっつかないよ。
 一体いつになったら手がすいて楽になるのかねえ」
 死神はイライラして、悪魔のもとへ怒鳴り込みました。
 「おい、いいかげんにしてくれよ。
 騒ぎを起こすのがあんたらの商売ってこたぁ分かっちゃいるが、ちょっとばかりやりすぎだぜ。いちいち出向かなきゃならねえ、こっちの身にもなってみろってんだ」
 悪魔はビックリしたようにこう答えました。
 「おいおい、忙しいのはこっちも同じだぜ。
 なんだか最近の人間連中は、俺たちの力を借りるのに抵抗がないみたいでな。目先の利益のためにもっともっととこき使われて、こっちだってへとへとだよ。
 文句があるなら、俺じゃなくて、神様に言ってくれ」
 それはちょっと……とさすがの死神も思いましたが、今日はいつになく気が立っていたので、そのままの勢いで、めったに行かない神様のところに怒鳴り込みました。

 (一個下に続く)
posted by らぶらどーる at 11:09| 広島 | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

創作 死神の嘆き (2)

 (一個上からお読みください)

 天界にある神様の屋敷に行ってみると、以前、もうだいぶ昔に来たときとは、かなり雰囲気がちがっています。なんというか、ギラギラしているというか、殺伐としているのです。神様の与えてくれるはずの安らぎが、どこにもありません。
 (こりゃあ、一体、どうしたことだ?)
 不思議に思いながら死神は、神様のいるところに案内されました。
 「ああ、わかっておる、わかっておる」
 死神が口を開くより早く、神様は言いました。そりゃあ、神様なんですから、死神が来た理由くらい、お見通しです。
 「じゃがな、もうちょっと我慢してくれ。あとすこしでほかの神様に勝って、地上がすっかりわしの物になるんじゃ。あとすこしの辛抱じゃ。な、な、わかるじゃろ」
 わかるか! と死神は思いましたが、神様に楯突いてもろくなことはないので、黙ってそのまま帰りました。
 自分の館に戻ると、また大量の死亡者リストが届いていました。急いで迎えに行かなければなりません。
 大急ぎで身支度を整えながら、死神は思っていました。
 (神様まで欲に目がくらんでるんじゃあ、この世はもう、おしまいだな……)
 そこまで考えたとき、ある思いが死神の脳裏をちらとかすめました。
 (あれ? 世界がおしまいになったら……ひょっとしたら俺の天下になる? え? だって死人だらけになっちゃうわけだから……えぇ!?)
 ちょっとやる気が出た死神は、張り切って出かけていったのでした。
      <了>
posted by らぶらどーる at 11:07| 広島 | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月30日

ドラマ パズル 第7話感想

 微妙に後味の悪い回。以下ネタバレあり。
 結局のところ、自分が法律的に無事に済むように準備している用意周到さがその原因かな、と。犯人が圧倒的弱者(=そういう卑劣な手段を使わざるを得ないほどに不利な力関係)とも思えないので、余計にそう思う。ホラーになっているかといえば、そうでもないし。
 なんていうのか、いい大人が腰を据えて策を弄して、ってなったら、そしてそれが通るラストだったら、絶対後味が良くなるはずはないわけで、そう考えると、どこかでバランスを取らなければならなかったのでは、なんてちょっと思う。
 なにか美しいものがあれば(物=アイテムじゃないよ。美しい感情とか)があれば全体のバランスが取れたのに、とも思うのだが、師匠への思いがそれに当たるとも思えないし……というか、師匠への思いにあまり説得力を感じなかったのだが……だって結局のところ、復讐する際にも自分の保身のことを第一に考えてるし、ね。
 それを別にすれば、風間杜夫さんの目つきや口元の微妙な感じや表情はなかなかのものがあったと思う。
 あと……やっぱり、閉じ込められパターンとかペンキ文字パターンとか、ちょっと使いすぎ。またァ? と思われるようでは良くない。
posted by らぶらどーる at 22:33| 広島 | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

創作/シーン 星の花束

 空から星が降ってきました。
 キラキラキラと。
 巨大な火の玉が降りてくるかと思いきや、銀色の美しい小さな光の束となって、ゆっくりふんわりと落ちてくるのです。
 それは夜空が作り出した、光の花束のようでした。
posted by らぶらどーる at 17:54| 広島 | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ドラマ 7人の女弁護士 第8話感想

 以下、ネタバレあり。
 クライマックスの演出が変わった。個人的には結構いいのではないかと思う。その甲斐あってか、あるいは脚本の影響か、今回は決め台詞がきれいに決まった。
 ダイエットを単なるネタに終わらせなければもうひとつ厚みが出たのでは、と思わないことも。つまりは相田翔子の役にとってダイエットはなんだったのか、と。ダイエットで体重が落ちたことによって、本人にとって何が変わったのか。彼は元々彼女を好きだったのに彼女の方が自分に自信がなくて……みたいなエピソードとか入っていれば、二人の関係がより説得力を持てたのではないかと思う。
posted by らぶらどーる at 17:06| 広島 | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

帯に偽りあり

 帯に<今、最も新しい小説論>とか書かれていた金井恵美子氏の『小説論 読まれなくなった小説のために』(朝日文庫)を買ったのだが、えらい古い話が出てくるなあ、と思ったら、3分の2は21年前に書かれたものだった。

 ……なにか、もうちょっといい売り文句があっただろうよ……。
posted by らぶらどーる at 09:42| 広島 | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

創作 願いをひとつ (1)

 あるとき、三神さんの目の前に親切な人が現れて言いました。
 「願いをひとつ、かなえてあげましょう」
 三神さんはよく考えてこう言いました。
 「願いを百個に増やしてください」
 親切な人はこう言いました。
 「そういう人には何もあげません」
 親切な人は三神さんの目の前で、煙のように消えてしまいました。
 三神さんは心を入れ替えて、親切な人がもう一度現れるのを何年も待ちました。
 何年も経ったある日、三神さんの前に、あの親切な人が現れてこう言いました。
 「願いをひとつ――あれ?」
 親切な人はポケットから手帳を取り出すと、ぱらぱらとめくりました。
 あるページでめくるのをやめ、しばらくじっと見ていました。
 そしてこう言いました。
 「まちがえました。さようなら」
 「え、ちょっと……!」
 親切な人は三神さんの前で、煙のように消えてしまいました。
 「なんなのよ、もう!」
 三神さんは、もう待ちません。ぷんぷん怒りながら、残りの一生を過ごしました。
 そんな三神さんも、ついに死ぬときがやってきました。
 病院のベッドの上で、意識が遠のいていった三神さん。ふっと誰かが自分の顔を覗き込んでいるのに気がつきました。

 (一個下に続く)
posted by らぶらどーる at 09:08| 広島 | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする